実施報告
行事名 熊本大学GP国際ワークショップ2007主催者 熊本大学
日 時 平成19年12月18日 9時00分―17時35分
報告者 熊本大学総合情報基盤センター長 宇佐川 毅
報告日 平成20年1月16日
実施したイベントの成果
フィンランド、スロバキア、インドネシア、日本において、eラーニングを活用した教育、研究を精力的にすすめられている先生方をお招きし、各国、各大学におけるeラーニング活用の現状をお話しいただいた。講演者ならびに出席者の間で、高等教育の未来像や次世代の学習環境などについて議論、意見交換をし、密度の濃い討論を行なうことができ、今後のeラーニングのあり方について、多面的多角的に議論を深めることができた。本ワークショップでの使用言語は、すべて英語であり、同時通訳も提供していないため、eラーニングに造詣の深い教員・職員や関係分野の研究を行っている大学院生が中心のワークショップであった。このため、密度の濃い議論は、通訳を介することのもどかしさもなく進めることができた。本ワークショップは、9時30分から昼食や短時間の休憩を挟み17時35分まで、4部構成で開催した。
第一部は、「インドネシアにおける ICT教育の現状」と題して、スラバヤ工科大学・元副学長であり、インドネシア政府情報通信大臣アドバイザーを勤める Achmad Jazidie 先生が、大学としてのeラーニングの取り組みから、インドネシアの学術情報ネットワーク INHERENT 、さらには情報通信政策におけるeラーニングの位置づけについて、政策立案等の立場から講演いただだいた。引き続き、スラバヤ工科大学・ICTセンター長の Achmad Affandi 先生に、スラバヤ工科大学内でのeラーニング支援組織や SHARE-ITS と呼ばれる公開eラーニングシステムの運用等を交え、ご講演いただいた。
[コーディネーター:宇佐川 毅]
第二部は、昼食後に「北欧及び東欧におけるeラーニング」と題して、スロバキア・コシツエ工科大学 Ladislav Samuelis 先生、フィンランド・ヘルシンキ 工科大学 Hallantie Heikki Juhani 先生にご講演いただいた。 Ladislav Samuelis 先生は、プラハ工科大学で修士号、ブタペスト工科大学でPhDを取得され、コシツエ工科大学で情報科学に関する教鞭をとる傍ら、EUの様々なeラーニングに関する国際プロジェクトで活動されるといった国際的な経歴をお持ちで、本講演では、特にスロバキアと東欧におけるeラーニングの現状と将来像に関してご講演いただいた。
ヘルシンキ 工科大学 Hallantie Heikki Juhani 先生は、ヘルシンキ大学で修士号取得後、多くの情報系企業や政府機関でマネージメントと管理職を歴任され、その間も大学での生涯学習に参加し、現在はヘルシンキ工科大学の生涯学習プロジェクトの管理・運営、eラーニング活用に関する研究、いくつかの国際プロジェクトの中心的役割を担っておられ、本講演では、フィンランド、北欧におけるeラーニングの現状と将来像をご講演いただいた。
[コーディネーター:中野 裕司]
第三部は、「日本におけるeラーニング活動」と題して日本を代表する取り組みを、広島大学 安武 公一先生、メディア教育開発センター 仲林 清先生にご講演いただいた。安武先生は、ご自身が広島大学において実践されている ICTやeラーニングを活用した授業をご紹介いただき、ICTとりわけ、BBS等を活用した学生間の協調学習が学生の理解を促させ、さらには学生の受講満足度の向上にもつながるなどを数値データを用いて示された。ICTを活用した協調学習の有用性を再認識すると共に、本学における今後のeラーニング実践の一つの方策を参加者は得ることができたのではないかと考える。仲林先生は、科学技術の利用における標準化の重要性を示され、先生ご自身が中心メンバーの一員となって精力的に進められているeラーニングの標準化SCORMに関する様々な興味深いご講演をいただいた。今後の学習教材の流用や共用、より高品質な内容をもつ学習教材を学習者へ提供していくために、SCORMの重要性を改めて認識することができ、本学がめざすeラーニング戦略におけるSCORM対応の重要度と、その急務さを実感できた。
[コーディネーター:松葉 龍一]
第四部は、「将来に向けてのeラーニング」と題してパネルディスカッションと、ご講演いただいた6名の先生方を囲んで、フロアーとの意見交換の場を持った。冒頭で、フロアーの聴衆およびパネリストの先生方それぞれに1枚のシートを配り、そこに書いてある「さらに身近に」「さらにインテリジェントに」「ストレスの少ないものに」「より国際的・文化横断的に」などのeラーニングの将来像のキーワードについて、どの項目が重要と考えるかをそれぞれの立場から意見が交わされた。それぞれの経験や専門性に基づいた、世界的なeラーニングの将来像を描くさまざまな示唆が得られた。
[司会:喜多 敏博]
今後の事業への反映
インドネシア・フィンランド・スロバキア・日本の計6名の先生にご紹介いただいた取り組みは、ICT環境の違いや、組織的な取り組みの差異など、多面的・多角的な情報交換ができるとともに、潜在的に共通する課題についての貴重な情報交換ができた。このことは、熊本大学内のみならず、本学と地域社会、国内の高等教育機関、さらに各国の高等教育機関と、eラーニングを介しての協力ができることを示唆したもので、今後の熊本大学におけるeラーニングの活用や、全学利用を促進させるための方略、計画立案に役立つ多くの情報を得ることができた。
参加人数
【合計44名】学内(小計:40名)事前登録:7名 当日参加:33名
学外(小計:4名)事前登録:3名 当日参加:1名
ワークショップの様子
熊本大学 副学長 西山 忠男 |
熊本大学 総合情報基盤センター長 宇佐川 毅 |
スラバヤ工科大学 Achmad Jazidie 先生 |
スラバヤ工科大学 Achmad Affandi 先生 |
コシツエ工科大学 Ladislav Samuelis 先生 |
ヘルシンキ 工科大学 Hallantie Heikki Juhani 先生 |
広島大学 安武 公一 先生 |
メディア教育開発センター 仲林 清 先生 |
熊本大学 喜多 敏博 |
パネルディスカッションの様子 |

